LEAVES LEATHER BAG STORE

COLUMN

その他
お客様ご愛用バッグのメンテナンス~コバ修理編~
2021/11/20

お客様ご愛用のビジネスバッグ

短期間、横浜みなとみらいに出店していた時にご購入頂いたビジネスバッグ。およそ3年ご愛用頂き、革の雰囲気もお客様の使用用途に合った変化をされています。新品と比べるとエイジングされているのがよくわかります。


修理のご依頼内容

今回は使用により、コバ(革の裁断面)部分が痛んできたとのことで修理のご依頼でお預かりしました。このバッグを気に入っていただいて、色違いもご購入頂きました。こんなにうれしいことはありません。作業にもいっそう力が入ります。

職人による修理品チェック

修理品が工房に到着し、職人が修理依頼箇所を確認します。
その他に修理が必要な箇所がないかチェックをして、場合によってはお客様とやりとりをしながら、修理に進みます。

まずチェックする部分はハンドル・ハンドル付け根・コバ面です。
これはお客様でもできます。お持ちのバッグを是非見てください。
ハンドル、ハンドル付け根は千切れてしまうと鞄として機能しなくなるので特に注意が必要です。
今回の修理品は、丁寧にご使用頂いているので問題ありませんでした。



コバ面は割れ・はがれが出始めていますが、
革のすれなどはほとんどなくとてもきれいでした。

Foglia工房がコバ仕上げをする理由

コバ面はいくつか仕上げ方があるのですが、Foglia商品は9割以上が、コバ仕上げになっています。革の重なりを目立たなくする為、染料を塗り、磨き上げる。
この工程を滑らかになるまで何度も繰り返す為、手間がかかります。なぜ、手間のかかる仕上げ方を選ぶのか。その理由は2点あります。

1.エッジのきいたデザインに仕上がる

革のふちが黒もしくは茶色でコーティングされるため、メリハリのついたデザインになります。この黒・茶のふちがあることでコーディネイトしやすくなります。

2.修理をしてもエイジングをそのまま生かせる

玉縁仕上げや革まきのコバ仕上げの場合、新しい革を使い縫い直すのですが、ご愛用中の革とは、色の違い・しわのより・風合いなど、どうしてもいろいろと違ってきてしまうので、修理をした事がまるわかりになってしまいます。
ですが、コバ仕上げの場合、古いコバをはがし、新しくコバを塗りなおすことだけで、革部分はすべてそのままなので、使い込んだ状態を崩さずに修理が出来るのです。



愛着のあるものだからこそ、『元通り』にして、オーナー様の良きパートナーでいて欲しい
(Foglia工房で言う「元通り」とは、使い込んで使いやすくなった状態のまま、また使えるように戻すことです。)
という思いで修理しております。
革が切れてしまった、破れてしまった等の場合はどうしようもないですが…。

修理品の完成

修理品の完成です。
使い込んだ雰囲気を壊すことなく修理が完了しました。


コバ面もきれいに仕上がり、ばっちりです。
最後はほこり落としとブラッシング、トリートメントケア(意外と今のツヤ感を守るのに緊張するのです)をしてお客様の元へお戻しします。

今回は「コバ」の修理について、お話させていただきました。
ご愛用中の鞄の撮影を快諾いただきましたお客様に感謝です。
ありがとうございます。



Foglia工房の商品は「お客様に永くご愛用いただく」ことにこだわって作っています。
ご愛用中の商品にお困り事や、気になることがあれば、お気軽にお尋ねください。
お客様とお会いする機会が少ない工房スタッフ達、ご愛用中の商品と向き合えるのは
修理の時間かも知れません。商品を通してお客様と会話が出来る。その時間がとても嬉しいのです。